置き時計の修理(ゼンマイ式)
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修理の様子
正確な年代は分かりませんが、おそらく60年か70年程前の置時計です。
台座が大理石になっており見た目よりもかなり重たいです。
こちらの写真が修理品のアップです。
下の写真と見比べるとツメのような物が無いのが分かると思います。
この部品はアンクルと言います。
こちらが正常な状態です。時計が動く時にコチコチと音が鳴りますが、その音を出しているのがこの部品になります。
役割としては、ゼンマイの力を振り子に伝える部品です。
ツメが当たる変わった形の歯車は、ガンギ車と言います。
こちらが取り付け前。
こちらが取り付け後。黒くなっているのはツメを固くするため焼きを入れたからです。
アンクルのツメも完成したので、次は分解掃除をしましょう。まずは機械を分解します。
時計本体から機械を取り出します。
本体を留めているネジが錆びついていて、なかなか外れずに苦労しました。
これが取り出した機械です。
機械は錆びも無くきれいな状態でした。
機械自体を分解した写真です。
分解する時に歯車が欠けていたり歯車の軸が曲がっていないかを確認します。
特に異常は見当たらなかったので部品を洗浄します。洗浄は時計洗浄用の洗浄液を使います。洗い終わったら組み立てていきます。
まずは、ゼンマイの辺りから、どんどん組み立てていきます。
もう片方の地板をはめ込みます。
このままでは上手くはまらないので、歯車の軸を一本ずつホゾと呼ばれる軸の入る穴に入れていきます。
組み立て終わると、この状態で動かしてみます。
ここではまだアンクルは付けません。なぜ動かすのかというと、大まかに歯車が正常にかみ合っているか、歯車に曲がりなどが無いかを確認するため、また、油をさすためです。ゼンマイにはゼンマイ用の油、歯車の軸には歯車用の油がありますので、それぞれ油をさしていきます。
そしてこのままの状態で振り子を付けて1日動かしておきます。時計にもよりますが1日で止まるようであれば、針を付けた時に確実に動かなくなるので、原因を探してそこを直します。
そしてまた動かします。その前に振り子がかなり上にあがっていてバランスが悪かったので、振り子を下げる棒を作りました。
写真の上側が元々付いていた物です。上の写真の金色の部分を変えますので4cmほど振り子が下に下がります。
針を付けてきっちり動くかどうか、時間がどのぐらい進んだり遅れたりするかを見るため、さらに1日動かします。時間の調整が済めば修理完了です。
今回の修理金額は・・・。
修理金額
ゼンマイ式置き時計修理基本料金 | ¥8,000 |
部品加工代(アンクル) | ¥2,000 |
合計 | ¥10,000 |
※表示価格はすべて税抜表示です。
難しい修理ではありませんでしたので、基本料金と部品作成した分だけいただきました。